久里浜医療センター

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刺激性下剤の適正使用について

センナや大黄やアロエ*などの生薬、そしてピサコジルやピコスルファートなどの下剤は大腸に到達して大蠕動を起こし排便を起こす「刺激性下剤」に分類されます。

「刺激性下剤」は旅行中や季節の変化、運動量の低下、女性の生理前などで起きる急性便秘の薬であり、とても重要で有用な薬です。
また急性便秘の薬であるため海外では慢性便秘に毎日内服する使い方はしません。

ところで慢性便秘の原因は
 1.便性状の問題「硬い便」:食物繊維や水分摂取の低下 
 2.自律神経のみだれ:不規則な生活や寝たきり状態、糖尿病など
 3.精神的・身体的ストレス:大腸がストレスで痙攣して便を排泄できない状態
 4.弛緩性便秘:大腸の運動が低下して便を排出できない状態 
 5.直腸性便秘:排便を我慢することを繰り返すうちに、直腸が鈍感になり便を出せない
 6.薬剤の副作用:大腸運動の抑制や便を固くするため。 
 7.「ねじれた腸管」による運動不足での便通障害:内視鏡が入りにくい人は、便も出にくい

などであり、お分かりになるかと思いますが「刺激性下剤」はこれらの1−7を改善するわけではありません。

すなわち「刺激性下剤」は慢性便秘の治療薬ではないのです。

「便秘で「(刺激性)下剤」を毎日長期間連用するとだんだん薬が効かなる」というのはとてもよく聞かれることです。

長期間「刺激性下剤」で毎日無理やり大蠕動を起こさせると大腸が疲弊して腸管神経叢がダメージを受けて大腸が動かなくなる「弛緩性便秘」に移行して下剤の効果が低下するのです。

便の量は食事量・食事内容・体質で大きく異なります。そのためもあって便秘の定義はおおまかに「排便が週3回未満のもの」とされています。

便が週3回出ればよいのであれば「刺激性下剤」を毎日飲んで毎日出すことにこだわるのは便秘の定義からしても矛盾することになります。

慢性便秘であれば、便性状を改善する食事や運動を含めた生活・ストレス管理といった慢性便秘の原因治療を行い、それでも出なければ週に1-2回「刺激性下剤」を使って腸管をリフレッシュするというのが「刺激性下剤」の正しい活用方法です。
ここで特に注意が必要なのは、長期間毎日の「刺激性下剤」使用で弛緩性便秘になっている方は、いきなり「刺激性下剤」を中止すると本当に便が出なくなることです。

当院のこれまでの治療経験からは、下剤がなければ排便できなくなった弛緩性便秘の方でも週に2回程度「刺激性下剤」の力を借りて排便させ、内服していない週5日間大腸を休めることで、時間はかかりますが「刺激性下剤」なしで自力で排便ができるようになることを確認しております(数十年の内服歴、70代以上の方では1年近くを要するようです)。

物のたとえですが、「水分摂取が重要で、一日1.5Lから2L摂取するように」とはよく聞くことです。ただ、体に重要不可欠な水分とはいえ、一日に6−10L飲むと体の中の塩分バランスが崩れ「水中毒」という命に係わる事態となります。

体にどんなにいいものであっても摂り過ぎは禁物で、適量の適切な摂取が重要です。

「刺激性下剤」はとても重要で有用な「急性便秘」の薬です。


「刺激性下剤」を使うことはいけないことではなく、適正量を週に1-2回までを目安に症状に応じて服用することが重要です。




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